衣替え
六月になると、袷から単衣に衣替えをします。
袷とは冬用の着物で、裏地である胴裏や八掛がついたもの。
単衣は、六月と九月の中間期用で、裏地がついていない着物です。
着物に合わせて、長襦袢や半襟、帯も変わります。
素材や色にこだわって、季節に対応しましょう。
単衣を着る時期は、六月と九月の二か月しかありませんので、着物を多く誂えるよりも、帯や小物の違いで季節を表し、着物に袖を通す機会を多くつくることの方をお勧めします。
帯締めひとつを変えることで、その着物姿から受ける印象はずいぶん変わります。
帯揚げや帯締めは、色味や素材を違えて数多く揃えておくと、たいへん重宝します。
単衣の時期は、雨が多い季節。
雨コートや履物を持っておくと心強いものです。
衣替えの時期は、まさしく備えあれば憂いなし、という言葉が身に染みる時期でもありますしね。
さて、衣替えの時期は決まってはいませんが、目安になるのは、高校生の制服でしょうか。
ある時期に差し掛かると、制服が変わるのですが、これがすなわち夏服と冬服なので、これを目印に、ご家庭でも衣替えを計画すると良いのではないでしょうか。
とはいえ、天気は衣替えの季節なんて関係ないですから、夏服でも寒く感じたりする時があったり、冬服でも暑い日が続くことなんてザラにあります。
しかし、季節に応じた衣服は、簡単には出し入れ出来ないように仕舞いこんでいるでしょうから、大変ですよね。
着付けのスキル
実家が着物やだったこともあり、昔から着物には興味があった。
たまたま、仕事仲間に外人が多かったことで、日本の文化を説明する機会が多かった。
その結果、着物の知識をより正確に覚えざるを得なくなっていた。
着付けの免許を取った。
結局なんだかんだと3年もかかってしまったが、今や、訪問着も振袖もどんと来いと言うくらいにはなっていた。
しかしそれまでの道のりは割と遠かった。
最初はやはり自分で着ることから始める。
私はまだ30代なので大丈夫だから、ご年配の方の多いレッスンなので、背中に手を回すのが一苦労。
自分で背中の帯を自由にできなければ、自分で着物を着ることはできない。
もちろん今は、すでに帯結びになっているものがあり、それをひょいとつけるだけのものもある。
が、それでは、着付け師の試験には合格しないのである。
そうなると、体が硬くなって言うことを聞かなくなったご年配の人がどのように自分で着るかの工夫を教えていただくことにある。
自分で着れるようになった後も同様である。
いろいろな体型の人がいるので、それに合わせて着せなければならない。
太った人が、普通の着物を持ってくると幅が足りなかったり、帯の長さが足りなかったりする。
それでもきせなければ、着付け師とは言えない。
背の高い最近っぽい女の子が、おばあちゃんからもらった着物を持ってくる。
まず、地味だ。
でもそこまでなら、帯でどうにかできる。
だが、大抵は、背の高さがありすぎて、着物の長さが足りなくなる。
そういった場合どのように着せるか、これも、着付け師としてのスキルだ。
微妙な帯や紐の位置で、パッと見た感じが悪くないようにしあげなければならない。