メゾネット住居は面白い

いわゆるマンションなどの集合住宅のよさはフラットさにあります。
一軒家のように家の中に階段がないのでいちいち登り降りしなくていい。
これは大きなメリットでもあります。

その代わり隣や上の階の騒音問題や、集合住宅ならではのデメリットもあります。
この一軒家と集合住宅のメリットとデメリットが半分ずつ存在するちょっと変わった住居があります。

それがメゾネットタイプの住居です。
隣だけで上下の騒音問題はなく、価格は集合住宅並みというメリット。

対して集合住宅なのに家の中に階段があるというデメリットがあります。
このデメリットは、中古で購入してリフォームやリノベーションするなら、上を事務所にして下を居住スペースにしたり、寝室とリビングを別階にしたいという人には大きなメリットにもなります。

なかなか数はありませんが、メゾネットは面白い物件です。
最近は、賃貸物件にもメゾネットが出てきましたよね。
比較的若い夫婦に人気なのかもしれないです。

相変わらず、賃貸と購入では、どちらがお得か、なんて議論がテレビや雑誌でのネタとしてありますが、住まいをどう考えるかによって決めれば良いことでは無いかなあと思います。
転勤が多いようなら賃貸ですしね。

逆に、購入者は老朽化した自宅を、子どもが引き継ぐなんて思っているのでしょうか。
売れないですしね。
ローンのために働くなんて嫌だという人は、家賃を必要経費と捉えているようです。

マンションが要する気遣い

子供の頃マンションに住んでいたが、マンションというものはあくまでも人間のコミュニティの一つの形態であって、個人の自由というのは一戸建てに比べて格段に少ない。
というのは、上下左右隣接して人が住んでいる環境において、人間は大きな物音を立ててはいけないからである。

私は子供の時分、スキップが人よりもかなりうまいと思い込んでいる子供であった。
スキップさせれば普通の人が普通に走るよりもかなり速い。
それがひそかな自慢であった。
実際は普通の人が普通に走ったほうがうんと速かったのだが、そんなことは思い込んでいる当時の私は気づくはずもない。
そんなわけだから、家の中でもスキップの練習をした。
廊下をいかにスムーズに技巧的にスキップできるか。
更には、ソファや畳んで重ねた敷布団の山から、いかにきれいにジャンプして着地できるかなどを実験し、足腰を鍛えていた。
もちろん、マンションである。
私がそういう訓練を始めると母親が飛んできて、周りに迷惑だから、と怒るのだ。
そんなことは今考えれば当たり前、むしろ私も母親と同じことをするだろうが、子供のときの自分にとっては、マンションなんて息の詰まる代物でしかなかった。
ぴょんぴょん飛び跳ねられないところなんて大嫌いだ。
おそらく、今でもその感覚は変わっていないだろう。
誰かの家に遊びに行ったときにマンションやアパートだったりすると、そこに住んでいる人よりもびくびくしてしまう。
うっかり足音を大きく立ててしまおうものなら、しばらく息を潜めてしまう。
今まで一度もこういった類のことで近隣トラブルになったことはないのだが、おそらくは子供の頃母に注意されたことが効いているのだろう。
きっとこれからもずっと、人と隣り合って暮らす環境では、必要以上にびくびくしてするに違いない。
最近のマンションは防音機能がすぐれているというのに。

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